「フラワーエッセンスの通信教育の現状とこれから」
(雑誌掲載記事より編集)


<フラワーエッセンスの教育>
 フラワーエッセンスの教育は、海外もしく
は日本の都市部にある民間スクールに通い、条件を満たす事で、民間資格を得ることができます。資格はフラワーエッセンス個人セッションを受けたいという場合、クライエントにとって、一つの判断基準になります。
資格取得を目指す場合は、資格を発行している団体の教育方針、教育内容、教育レベルを総合的に判断してスクールを選択することが賢明でしょう。

スクールでは、感情、心理、精神に働きかけ、個々によって変化の表れが異なるというフラワーエッセンスの特性上、受講生には中立的かつ、きめ細やかな個別対応が必要になるため、一定程度の教育水準が求められます。
またフラワーエッセンスはブランドによって、製造法、特性、使用法に違いがある場合があります。一つのフラワーエッセンスブランドを学んだ、あるいはフラワーエッセンスの一般的な知識を得ただけでは、プロフェッショナルな活動をしていく上では充分ではなく、ブランドごとに学ぶ必要があります。


<通信講座を受ける目的、動機>
地方在住でフラワーエッセンスを学ぶ場合に主流なのが通信講座でしょう。
ハートサポートシステム(有)では、2003年からバッチフラワーエッセンスの通信教育(基礎レベルの「バッチ博士のフラワーエッセンス基礎通信講座」、プロ養成レベルの「バッチ博士のフラワーエッセンスプロ養成通信講座」)を行っていますが、受講生の多くが地方在住者です。

受講の目的は、すでにアロマセラピー、リフレクソロジー、整体等の身体へのアプローチをしている方、またカウンセリング、心理療法といったメンタルレベルへのアプローチをしている方、更に医療、介護関係等で活躍していたり学んでいたりする方がバッチフラワーエッセンスを取り入れるために受講するケース、日常的にバッチフラワーエッセンスを使用していて深く学びたいというケース、あまりバッチフラワーエッセンスのことは知らないが興味があり受講するケース等があります。
個別指導を徹底することでいずれの目的にも対応しています。

講座受講の動機には、当然ながらフラワーエッセンスを深く知りたい、体験したいという思いがあります。その背後に、「自分をもっとよく知って、もっと楽に生きたい」 (* 1) といった自己を知る事、そして、変わりたいという欲求があった、という声をよく受け取ります。

他者へのバッチフラワーエッセンスの活用を目的にした受講生の背後にも、同様の思いがある場合もあります。
また、身体へのアプローチをしているセラピストがクライエントから個人的な相談を受け対応に困り、クライエントへの適切な援助のあり方を模索したいという動機から受講する傾向もあります。
またクライエントの内面を扱うカウンセラー、専門的なアドバイスが求められるコンサルテーション等の職業についている方が、別のアプローチからクライエントの内面を扱いたいという目的から受講するケースもあります。


<通信教育過程での受講生の変化、気づき>
「バッチ博士のフラワーエッセンス基礎通信講座」では、実技を通してバッチフラワーエッセンスの基本的な知識とボトル選択の技法を習得します。講座受講中には、実際に自分でバッチフラワーエッセンスを選択、使用して、体験を通した理解を深めます。
バッチフラワーエッセンスは感情、心理といった人の内面に働きかけるものであり、また香りや色など目に見えるものではありませんので、バッチフラワーエッセンスを学ぶには実際に自分が体験することが必要不可欠です。

受講生のレポートを一部紹介しましょう。
「最初の変化は、私がいつも感じている『しなければならない』という気持ちが、ふっと解けたような変化でした。肩の力が抜けたようなリラックスしたような感じでした。それと同時に、相手のことを許し認め、自分自身のことも『大丈夫だよ。よく頑張ったね』と言ってあげられる自分に変化していきました。」 (* 2)
「自分の気持ちに注意を向けるようになり、『私は本当はどうしたいのだろうか?』と自問自答し、段々と自分の気持ちを大切にするようになりました。(中略) 今までは、やりたい事があっても、頭で考えすぎてしまって結局は面倒になってあきらめるというパターンが多かったですが、今はどんどんやりたい事をやり、それが良い方向に進んでいくのを感じています。」 (* 3)
「講座を修了するにあたって、振り返ってみて、自分自身が変化していることに気づきます。言葉に表現することは難しいですが、今ここにあることを楽しめている、日々の中から輝いているものを見つけられるようになっている、素直に自分を受けとめられている、そんな気がします。」 (* 4)

内面の変化の反映として、結婚、妊娠、出産、転職など、人生の転機を迎える受講生もいます。

 また受講生にバッチフラワーエッセンスの作用への疑問点がある場合も当然ながらあります。この場合は、疑問を内面の動きとして肯定し、これを動機にしてバッチフラワーエッセンスを体験し理解していくことを援助します。
「正直なところ、はじめは『フラワーエッセンスの作用を体感するためとはいえ、具体的な問題もないのにフラワーエッセンスを飲んで、変化がわかるものだろうか』という気持ちもありました。ですが、それぞれのカテゴリーごとに選ばれたフラワーエッセンスは、不思議と自分の性格上の問題や、その時々の状態に合っていて、様々な気づきや変化をもたらしてくれました。」 (* 5)

このように受講生がそれぞれのプロセスを経て、バッチフラワーエッセンスによる内面の変化を体験しています。

「バッチ博士のフラワーエッセンス基礎通信講座」で得たバッチフラワーエッセンスへの体験的理解を土台に、「バッチ博士のフラワーエッセンスプロ養成通信講座」では他者へバッチフラワーエッセンスを選択する(個人セッション)技法、セラピストとしての基本姿勢を学びます。


<プロとして活動するために>
「バッチ博士のフラワーエッセンスプロ養成通信講座」では実習を行います。
セッションではクライエントの内面を扱うため、単に技法を学ぶのではなく、プロの援助職者としての基本姿勢(倫理的事柄、クライエントとの治療関係の結び方、セラピストとしての在り方等)を実践形式で身につけ、クライエントを傷つけることなく援助していく事が求められます。
弊社では、来談者中心療法をベースに、クライエントが自らの内面に気づく援助となるカウンセリングを採用しています。

また、プロとして活動するにあたっては、セラピーであるという位置づけを明確にすることが大切です。
具体的には、活動にあたって、バッチフラワーエッセンスを含めフラワーエッセンスは肉体症状に直接作用するものではなく、医学的診断、医療行為、医薬品に代るものではないことをクライエントに明確にするよう、講座で指導しています。
そしてセッション予約時の段階で、通院中のクライエントはフラワーエッセンス使用にあたり、主治医に許可を得るように依頼する事、また明らかに医学的な対応が必要だと思われる場合は、クライエントに病院で適切な治療を受けるようにすすめ、医師の許可を得た後セッションを受けることを案内するようにも指導しています。

実践的な訓練や知識の習得は、セラピストがセッションの質を一定程度以上に保ち、活動するためには必要です。


<講座受講後の活動と今後の可能性>
講座受講生は、講座修了後も自分のメンタルヘルスのためだけでなく、家族へのケア、ペットへのケアにフラワーエッセンスを活用しています。

また、通信講座受講生は申込時から、バッチフラワーエッセンスのセラピストとして開業する意思がある方が比較的多く、認定資格を取得後、すぐに開業する傾向があり、フラワーエッセンスの販売やセッションの提供で、居住地域のメンタルヘルスに貢献しています。

リフレクソロジー、整体等のボディワークを行っている方は、フラワーエッセンスセッションを取り入れる事で、ボディワークによる身体へのアプローチに加えて、フラワーエッセンスによる内面へのアプローチが行えるようになり、クライエントにホリティックなケアを提供しています。
カウンセリングをはじめとする内面的な個人相談の場合は、やり方によっては時にクライエントが依存する場合がありますが、フラワーエッセンスセッションを取り入れる事で、今迄とは別のあり方で、クライエントが自分の状態に気づいていくサポートを提供しています。
また、ヒプノセラピーとフラワーエッセンスを組み合わせる例、動物病院への導入例もあります。

メンタルヘルスが社会的な課題となっている昨今、水、ブランデー(保存料)、塩(日本では法律上入っている)しか物理的には含まれておらず、また医薬品とも違い、副作用がないので、子供や動物にも使用することのできる安全性の高いフラワーエッセンスの活用はさらに広がっていくものと思われます。

フラワーエッセンスの活用においては、正しい知識と適切な種類の選択、自立的な使い方が不可欠です。
通信講座で学んだ認定セラピストの地域に根差した活動が、フラワーエッセンスの正しい知識や使用法を伴ったフラワーエッセンスの普及、フラワーエッセンスセラピーの浸透に貢献していくことが期待されます。



(* 1) 「バッチ博士のフラワーエッセンス基礎通信講座」受講生体験談(YM)
(* 2) 同上「同講座」受講生体験談(R.U.)
(* 3) 同上「同講座」受講生体験談(RH)
(* 4) 同上「同講座」受講生体験談(Key)
(* 5) 同上「同講座」受講生体験談(和矢)

〔執筆者〕
慶應義塾大学卒業。ハートサポートシステム(有)にて通信教育の補助、個人セッションに携わった経歴を持つ。