〜バッチ博士のフラワーエッセンス講座を受講して〜
M・H
掲載日:
2004年 12月 9日
「バッチ博士のフラワーエッセンス講座」を振り返ろうとしている今、私は前の自分を思い出すのが少し怖くもあります。それは、とても苦しかったことを思い出すことになるからです。今、私は自動車の免許証を持っています。アルバイトをしています。自転車に乗って一人で出かけることもできます。習い事に通うこともできます。
こんなことは当たり前のことでしょうか。でも前の私にはできませんでした。私はあまりに不安定でした。声が出なくて喋れなくなることもあれば、記憶がなくなって気がついたら自分の知らない場所に知らない人といることもありました。怒りで大の男に突っかかってゆくこともあれば、強い恥の感覚で仲の良い友人にも話しかけられなくなったりしました。意識を失って救急車に運ばれることもざらでした。大学に通うことも辛くてたえられず、自主退学しました。
私のそのような症状は18歳の頃から出始めて、病院に通うようになりました。そしてこの生きづらさは私が機能不全家族で育ったアダルトチャイルド(AC)であることからきているのだとわかってきました。
それ以来私はアダルトチルドレンの精神療法家のワークショップに何度も参加したり、本を読んで自分の抱えている問題について勉強したり、ACのためのグループミーティングで話したり、自分を癒すことに必死でした。
薬を飲み続けて心を楽にするほか、根本的な痛みをいやすためのトラウマのワークショップに参加したことで、私は順調に回復していました。
それでも小さい頃家族という危険の中で生き延びるために身につけたやり方は簡単には変わらず、今となっては足枷になっていました。健全な考え方を家族から学べなかった多くのACが持つ、同じ生きづらさです。
回復に行き詰まりを感じ始めて、私は自分の癒しのために「バッチ博士のフラワーエッセンス講座」を受講したいと思いました。私は花が好きで、緑の力をよく感じていました。海や川、滝の側や山の道に行くといつも何か受け取るような感じがしていました。自分の力でどうにもならないことは天にまかせて、花からの気づきを得たいと思い、受講を決めました。
私は主治医にはまず休むことが必要、と諭されていました。アルバイトもしなくていい、車の運転は禁止され、自転車にも乗らないようにと言われていました。けれど基礎講座でワイルドローズを飲んでから、私はもう病人でいたくないと思うようになり、自転車に乗ったり、アルバイトを始めたりするようになりました。切らせていた自動車免許を1から取り直すために、自分で公共の交通機関を使って免許センターに行くこともできました。それも結局「入院・通院期間含めて病気だったことで更新に来られなかったから」と、特別に再発行していただきました。私のあまりの変化に、主治医も周りの人たちもとても驚いて、喜んでくれました。私自身、最初は知らない人と仕事をしたり自転車に乗ったりできるなんてその2ヶ月前には想像できませんでした。
私の感じていた行き詰まりは、もう休む段階は終わって社会の中に、人の中に戻ってゆく段階に入ったからだったのだろうと気がつきました。その時点で私が講座を受けた動機は満たされたのですが、講座後半になってもたくさんの気づきがやってきました。22歳の誕生日にプロ養成講座が始まり、それからは人と関わっていく中で感じることに対してエッセンスを選ぶようになっていきました。
わたしの場合選ぶテーマが根本的な問題だからなのか、変化はまず楽になるよりも、痛みとともにやってきました。
2回連続で自分を好きになりたいというテーマで選んだときは、続けて同じエッセンスが選ばれました。そのエッセンスはいつも力で押し切る、強い個性をもつ私の家族のタイプでした。そのエッセンスが入ったボトルを飲んでいる間、人が自分に抱く好意を受け入れられないということに気がつきました。その2週間は胸が痛くて、涙がすぐに溢れてきました。その期間はちょうど恋人が新潟中越地震の災害ボランティアに行っているときで、一人になって考える時期だったのかもしれません。一人になることで私の回避依存を強く自覚しました。私は見捨てられ不安が強い一方で、人に愛されること、それを受け入れることがとても怖いのです。私を好きになるような人間は信用できなかったのです。苦しく、いなくなってしまいたいと思いました。それでも、彼が惨事を見聞きする場所で、私を心の中に温かいものとして抱いてくれているということを電話で聞きました。こんなにはっきり目の前に示される気持ちだけはせめて、感じられるようになりたいと強く思ったのでした。
次の週は、ヘザーとバーベインとウォーターバイオレットとウオールナットが選ばれました。それぞれ、他人の必要性を理解する、人が意思を表現することを許せるようにする、心を開いて深いところにあるものを分かち合えるようにする、そして変化のあいだ守ってくれるという本当に必要なエッセンスでした。帰りの新幹線の中で、大きな胡桃の殻の内側にいる自分が見えました。いつも新幹線では眠らないのにぐっすり眠ってしまい、守られている温かさを感じました。
次の日、恋人が新潟から帰ってきました。それからだんだんと彼の言葉が胸にすっと入ってくるようになりました。いつも聞き流していた言葉に、たくさんの愛情の裏づけがあることに気づいて涙が出ました。
人を信じるというのは、信じたら生き延びられない状況で育ったACにとって、ものすごい恐怖を感じることでした。しかし受け入れたら、まるでずっと死んでいた種が水を得て育ち始めるように、伸びてゆく子供のような気分になりました。愛情を受け取るとのはなんて幸せな気分になるんだろうと思いました。今まで自分が知らなかったいくつもの感情に出会いました。
フラワーエッセンスの選び方に自信がなかった時は、こんなにたくさんのギフトをもらえなかったような気がします。講座を受けて、たくさんのことを学び、必要だったものを手に入れました。たった4ヶ月でこんなにも変わる力を引き出してくれた花たちに本当に感謝しています。私はまだまだ変化していくと思います。それでもすでに自分にとって当たり前になった成長の結果も、この4ヶ月の証として忘れないで生きていきたいと思います。