マウントフジフラワーエッセンス プロ養成講座体験談
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〜マウントフジフラワーエッセンスプロ養成講座体験談〜
村田麗薫
掲載日: 2008年 5月 20日



 「バッチ博士のフラワーエッセンス講座」を受講したときもそうだったのだが、講座が始まる直前はいつも自分の中で何かが終わる時期と重なる。今回はマウントフジフラワーエッセンスプロ養成講座開始2日前に引っ越しが決まった。
 何度も引っ越しをしようかなと考えて、何件も不動産屋に物件を探しにいったけど、いつも特にぴんとくる物件に出会わず、このまま今の家に住んでもいいやとずっと思っていた。引っ越ししたいとは思っていたけど、新しい環境に身を置くために自分の生活や行動を変えるのは面倒だし、今のままでも特に不自由してないから別にいいやと思っていた。今年に入ってから物件を見に行くのは5件目で、またあんまり気に入らないだろうなと思いながら物件を見に行った。入って部屋の中に一人でぼーっと座っていると、すぐに私がこの部屋で生活している様子が頭の中に浮かんできた。でもしばらくすると、通常の仕事や生活をしつつ、引っ越しなんてできるのだろうかと不安に思いはじめた。

 第1回目では、ミニセッションの方法を学び、短時間で相手のエネルギーを感じながらボトルを選んでいった。クライエント役の方エネルギーを感じるまでは不安で、そんなことができるわけがないのにと思っていたけど、実際にボトルに手を伸ばしたり、相手のエネルギーボディ(サトルボディ)にボトルを近づけてみたりすると、「あ、これだ」という、自分の体の中が空洞で、ボトルと相手のエネルギーがただ交わっているような、すーっと流れている感覚になった。言葉にすると「なんとなくいい感じがした。なんかそんな気がした。」というひどく漠然としたものにしかならなかったけど、選ばせていただいたボトルが間違っているという不安は不思議となかった。
 「理解とは瞬時に起こる」というような言葉を、前半の講義の中できき、耳に残った。今まで引っ越ししたいと思いつつもだらだらと先延ばしにし、次第に最初の「引っ越ししたい」という感情が薄れてくるのを待っているかのように日々を過ごしていた。今回、クライエント役としてフラワーエッセンスを選んでもらうテーマとして「早く整った、安定した環境で暮らす」というものにした。
 選んでもらったマウントフジフラワーエッセンスは、ヤマブキフジアザミだった。
 翌日の土曜日と日曜日には見たいと思っていた映画やライブをキャンセルして、自宅で荷物の整理を始めた。こんな狭い部屋のどこにこれだけ荷物が入っていたんだろうかとあふれ出る自分の過去を目の当たりにしてぐったりした。丸2日作業をしても到底終わらなかったのだけど、自分にとってライブや映画の予定をキャンセルして2日間も自宅にこもっているのは今までにないことだった。ずっと、未知の物に触れたいという欲望を優先して、夜遅くに自宅に帰ってただ眠るだけの生活を送っていた。一瞬だけの体験に身を浸したいといえば聞こえはいいが、自分の内側の空虚さを埋めるためにいつも街に出ていた気がした。この1週間は引っ越しに関する諸手続きや荷物の片付けに時間を割いた。

 第2回目では、フルセッションの基礎の実技として、横になったクライエント役の方にボトルを選んでいった。選んでいると、手の感触にぴりぴりした感覚や、冷たかい感覚がやってきた。手で感じている感覚とは別に、ふわっとした空気が相手の方と自分を包んでくれているような気がした。この回も相手の方に選ばせていただいたマウントフジフラワーエッセンスに迷いはなかった。でも言葉にするとやっぱり「なんとなくここに置きたかった」というような漠然としたものになって、相手の方に対して何を言ったらいいのかよくわからなかった。
 この回は「周囲の感情にまきこまれずにおだやかに過ごしたい」というテーマでマウントフジフラワーエッセンスを選んでいただいた。選ばれている最中に額が締め付けられるようにいたくて、帰ってからもずっと頭がずきずきと痛んだ。
 額に選ばれたマウントフジフラワーエッセンスリュウノウギクだった。その他はメイゲツソウダンチクウワズミザクラツルマンネングサが選ばれた。
 木曜日に映画を見る。過去にある作品でかかわった人たちを訪ねていくドキュメンタリー。作品にかかわった人たちはその後、作品を作り続けている人もいれば、病気を発症している人、行方のわからない人や、もう亡くなってしまった人など実に様々な人生を歩んでいた。歴史に名を残すわけではないけれど、各自の人生のドラマはそれぞれが映画のように物語を紡いでいた。人生を歩むことはそれ自体が表現で、それ自体が物語になるんだなと思った。
 金曜日に受講してみたい講座があることを見つけるが、3日間迷い続ける。隅っこに引っこんでいたい思いと参加したい思いとがぐるぐるまわって、吐きそうになる。ようやく決心して申し込みをするけど、やっぱりやめとけばよかったと頭の中がごちゃごちゃする。目と耳だけ持参して会場の壁に埋め込んでおけたらいいのにと思う。
 
 第3回目の講義でサンバドさんが「思考はPCにインストールされたソフトの一つです」と言われて、すごく納得する。思考している部分以外にも自分の中にはよくわからないものも含めて沢山あるのに、私はいつも思考の部分だけをフル稼働させていると思う。
 この回の実技ではサンバドさんとペアにならせてもらう。なんとなく駅から会場へと歩いている間、今日はサンバドさんとペアになるかもしれないし、そうだったらいいなと思っていた。今思うとそう感じたのは後にも先にもこの回だけだった。
 この時は「あまり考えずにその場を楽しみたい」というテーマでマウントフジフラワーエッセンスを選んでいただいた。選んでいただいているときは暖かくて、力強いものに守られている感覚がした。この日も最初少し頭が痛くなったけど、最後の方は痛みがなくなっていた。
 この日は第6チャクラにリンドウミゾソバピンクオオケタデ、第4チャクラにハリエンジュモモ、第1チャクラにワレモコウイカリソウシャクナゲ(ピンク)が選ばれた。
 「ケーキの表面だけ食べている感じ」という言葉はまさに私だなと思った。天から自分がうけとったものをハートを通して表現すること、地に足をつけること、生に失敗はないことなど、自分の中に残る言葉がいくつもあった。
 翌日荷物の一部を友人に運んでもらう。梱包済みの荷物で部屋の中がめちゃくちゃになっていたけど、新居に荷物を移動できたので少しすっきりした。人に助けを求めることが苦手なので、できることなら全部一人でやってしまおうと思っていたけど、困っている時に、手を差し伸べてくれる友人の存在に感謝した。
 水曜日にメールを送った方からうれしいお返事をいただき、部屋の中で飛び跳ねる。返事をいただくまで、送るのをやめとけばよかったと羞恥心にかられて消えてしまいたくなっていたけど、うれしすぎて脚をぱたぱたさせて部屋の中をごろごろ転がる。

 講座第4回目でボトルの選び方について一人一人報告と感想をいった。自分の感覚は自分の中だけで完結している出来事だったので、言葉にして具体的に感想をいうことで混乱した。人の前で言葉を探る作業はとても苦手で、話したいことや本当に大事に思っていることを口にしようとすると緊張してしまう。頭が真っ白になってしまって、何を言おうとしているのか自分でもよくわからなかった。緊張したくないので、できることなら何も発言せずに座布団の下にもぐっていたかった。他の方の感想をきいていると選ぶことに迷わない私の方がおかしいのかなと思って自分のマウントフジフラワーエッセンスの選び方に対して、どんどん自信がなくなった。その日のセッション実技では初めて迷いが生じた。なんとなくいいという感覚は起こるものの、これでいいのかな?と不安になった。でも、迷っている頭をわきに置いて、お腹の中心にある玉に意識をむけていると、迷いながらもこれでいいような気がした。
 この日は引っ越しを完了させて新しい生活にスムーズに移行することをサポートしてくれるエッセンス」というテーマで選んでいただいた。
 この日は第1チャクラにリュウノウギク、第3チャクラにシャガ、第5チャクラにボケ、第4チャクラにナギナタコウジュ、第1チャクラにシシウド、第2チャクラにタチツボスミレが選ばれた。
 木曜日にばたばた荷造りを終えて引っ越しをし、日曜日に友人に誘われてあるワークショップに行ってみる。専門分野の特権的な言葉は意味が理解しづらいと感じる。言葉に直接置き換えられなくても、周縁を取り囲むように、日常の言葉で、そのものを理解する道しるべを示してほしかった。専門的な1単語に置き換えられるとそれを知らない人にとってはまったく意味がわからない。感覚的なところでわかっていることをきちんと論理的に言葉にしていくことの重要性を感じた。言葉にとらわれずに感じつつも、人と共有していくときにはまた言葉を使って表現していくことも大事だなと思った。
 月曜日が申し込んでいた講座の初日だった。講座に行く前に、あまりに緊張して、落ち着こうとコーヒーを飲むけど、吐きそうになり、手が震えて心臓の動悸が一向に治まらず、服の上からでも心臓が激しくどきどきしているのがわかった。この回のマウントフジフラワーエッセンスミックス液を何度も何度も飲んだ。会場のすみっこの壁と同化できそうな場所に座る。それでも緊張してしまい、このまま逃げてしまおうかと思った。がちがちになって出席した講座はやはりおもしろく、最後のほうは肩の力が抜けて、自然に笑いながら過ごしてしていた。
 引っ越しをした時に、必要な書類をなくしてしまい、焦る。前の家と今の家と職場と最近立ち寄った店をぐるぐるまわる。書類をいれているクリアファイルを何度も探しても見つからず、泣きたくなる。その後3日間探し続けても見つからず、駄目元で手の感覚で書類を捜す。部屋の中にあった本とCDの入った山積みの段ボールになんとなく手がのびる。「この箱かも」と思った箱の中をのぞくと、やはり本しか入っておらず、「私の勝手な思い込みかしら」と疑いながらも箱の中を捜すと、本の隙間に探していた書類が挟まっていてびっくりする。自分の感覚をもっと信頼しようと思った。

 第5回目でパビットラさんのデモンストレーションを拝見させていただいた。パピットラさんが口にされる言葉はとてもわかりやすく、クライアント役の方が話されたことや選ばれたマウントフジフラワーエッセンスから、断片的に散らばっていた一つ一つのかけらを統合されて、大きな川となって流れていくようなセッションに思えた。最初からクライアントさんが持っていた大きな流れ、向かっていきたい方向を、断片を問いかけることで、クライアント役の方がセッションという場で一つの物語を作られているように感じた。
 この日は自分のためにツルマンネングサネジキマルバハギシキザクラを選んだ。

 第6回目で遠隔リーディング&ヒーリングの実技をする。相手は目の前にいないけど、マウントフジフラワーエッセンスを選ぶことができた。日曜日に選ばれたマウントフジフラワーエッセンスの意味とお手紙に書かれていた事と自分が感じたことをお手紙にして、月曜日にマウントフジフラワーエッセンスと一緒に相手に送らせていただいた。自分のことを文章にするのではなく、自分を透明にして相手の方に合わせて文章を書く方法は、語彙の選び方や文章の末尾の締め方まで、思った以上に難しかった。

 第7回目の朝に、遠隔リーディング&ヒーリングをさせていただいた方より感想をいただく。自分が書いたこと以上に相手の方はマウントフジフラワーエッセンスの意味やリーディングの流れに気付かれていて、本当に相手の方にふさわしいマウントフジフラワーエッセンスが選らばれることに驚いた。第6回目で自分がした遠隔セッションのことを口にしようとすると、緊張したのもあるけど、少し悲しくなってきた。自分自身は別に悲しいことがあったわけではないし、心の奥底では「なんで私悲しくなっているんだろう?」と冷静に自分を見ている自分がいるのに、相手の方をリーディングさせてもらった時の感じを口にしようとすると、悲しくて胸が痛くなった。
 この日の第7回目は「誠実に言葉にしていきたい」というテーマでマウントフジフラワーエッセンスを選んでいただいた。
 第4チャクラにツルマンネングサハリエンジュ、第1チャクラにニラ、第3チャクラにシキザクラ、第5チャクラにフキノトウが選ばれた。

 「マウントフジフラワーエッセンスプロ養成講座を通している最中、受容的にマウントフジフラワーエッセンスと相手をつなげることの面白さと難しさをずっと感じていた。受容的にただ感じればよいというのではなく、その感覚を表現するのに、言葉を使って相手とわかちあうこと、自分は常に覚めていることが大事だなと改めて感じた。「くつろぎ、見守り、判断しない」という受容的なあり方にも個性があり、各自の感覚を信頼し、表現していく自由さの中でのマウントフジフラワーエッセンスプロ養成講座の流れがとても心地よかった。エネルギーを感じてマウントフジフラワーエッセンスを選ぶという感覚は、紙とインクでできた本から物語を読み取ったり、耳に入ってくる音から旋律やリズムを受け取ったりする感覚とあまり変わらないような気がする。一部の人だけが持つ特権的な能力ではないと思う。マウントフジフラワーエッセンスプロ養成講座を終えようとする今、パビットラさんやサンバドさんのように、日常で耳にしているやわらかな言葉で、各自がそれぞれの物語を紡いでいくことに、ただ寄り添えるような存在でありたいと思った。